
第9回日本臨床薬理学会地方会
北海道・東北地方会
大会長 三浦 淳
日本臨床薬理学会理事
北広島ねむりとこころのクリニック院長
この度は第9回日本臨床薬理学会北海道・東北地方会にご参加くださり誠にありがとうございます。今回の開催地は札幌市で、2018年の第1回(札幌市)、2022年の第5回(旭川市)に続き、3回目の北海道開催となります。6月末の札幌市は、日中の気温は高くなりますが、梅雨がなくて過ごしやすい天候です。
今回の地方会のテーマは「北海道・東北地方の臨床薬理を盛り上げる!」としました。このテーマに決めたきっかけは、私が臨床薬理を志した約25年前、「臨床薬理は西高東低」と先輩に言われたことに端を発します。私は動物を用いた薬理学研究で学位を取得したのですが、医師であるからにはヒトにおける薬理を研究し、医療に還元したいと思い始めました。しかし当時在籍していた大学には臨床薬理学を専門とする講座はなく、薬理学の授業の中で少し触れられる程度でした。その後日本臨床薬理学会に入会し、臨床薬理を専門とする医師、薬剤師、研究者や、CRCなどの医薬品開発を支援する人びとに出会い、たくさんのことを学びました。その過程で、実は北海道・東北地方には優秀な臨床薬理の専門家が多数いることを知りました。そのような人びとと会わなかったため、私自身も当地方の臨床薬理が遅れていると誤解していたことに気づきました。
臨床薬理は、全ての疾患領域における、臨床、研究、教育、医薬品・医療機器開発を含みます。そのため、臨床薬理の担い手は、医師、薬剤師、歯科医師、看護師、臨床検査技師などの医療系資格保有者のみならず、研究や開発を支援する人びとも含みます。本地方会は、さまざまな役割を担う、異なる資格・技能を持った職種の人びとが一堂に介し、ネットワークを築くことを目的としました。専門家が有機的に繋がることで、当地方における臨床薬理が盛り上がると考えております。
本地方会では、まず、臨床薬理学の第一人者である昭和医科大学の小林真一先生に基調講演をいただきます。次に横浜市立大学の田野島玲大先生に小児臨床薬理学に関するご講演をいただきます。特別講演として、乳がん治療薬であるダトポタマブの開発に抗体発見から関わられた札幌医科大学の濱田洋文先生に、抗体発見から医薬品開発までのご経験をお話しいただきます。シンポジウムは総合タイトルを「臨床薬理教育の現状と課題」としました。普段、医学生、薬学生、 CRCを教育する立場にいらっしゃる3人の先生にお話しいただいた後、課題解決に向けた討論をしたいと考えております。一般演題では、皆様の日頃の貴重な研究成果を参加者全員に共有させていただければと思います。会の終わりにはささやかではありますが、初夏の北海道を感じていただけるような懇親会を準備させていただきました。お時間の許す限り参加者の皆様の親交を深めていただければ幸いです。スタッフ一同実りある会になるように精一杯準備を進めて参ります。